非圧迫性椎間板脱出のわんちゃんが来院

先日、大変嬉しいことがありました。

開院当月(2月)に他府県よりご来院いただきました患者様が、症状の改善を見せに遠方よりお越しくださったのです。スタッフ一同、改善した患者様の様子を拝見できることは大変嬉しいことであったと同時に、笑顔に溢れたご家族を拝顔することができたことは嬉しさを倍増させることになりました。

 

患者様は8歳のわんちゃんで、急性発症した四肢での起立不能を主訴に他院でMRI検査を実施することになりました。検査結果からは外科的治療が適応にはならずに治療方向が明確に定まらず、かかりつけ医の先生からその後にNeuro Vets 動物神経科クリニックをご紹介・ご来院くださいました。

非圧迫性椎間板脱出および脊髄損傷
非圧迫性椎間板脱出および脊髄損傷

当初は再生医療を含めた治療をご家族は念頭に置いておられたようですが、画像検査所見などから「非圧迫性椎間板脱出および脊髄損傷(赤丸、黄矢印)」と考えられることから、外科的治療や再生治療よりも積極的な理学療法の実施をご提案いたしました。

 

遠方であることから当初の来院後は電子メールにてやり取りしながら状況を把握し、理学療法に関してお伝えしていました。

それから6ヵ月の間は少しずつの症状改善を示し、頭を持ち上げられる・伏せの姿勢が取れる、体幹の動きが目立つ、四肢の動きが出始めるなどの様子の変化が認められ、7ヵ月目にはふらつきながらも起立歩行が可能になってきました。

 

初来院時より約9カ月後、実際に四肢にて起立可能となった状況を院内で拝見させていただきました。一生懸命に歩こうとする様子に胸を打たれるとともに、ご家族の献身的な理学療法が功を奏したと改めて実感いたしました。

 

椎間板ヘルニアの治療は多岐にわたっており、重症度によっては外科的治療や内科的治療が必要であるとともに、再生治療も選択肢の一つになります。しかし、積極的な理学療法も治療の選択肢として十分に考慮する必要があります。

 

脊髄疾患に関して気になることがございましたら、当クリニックまでご相談ください。