脳波検査ってなに?

脳波検査とは、脳波計を使いながら脳の電気的な変化を「波形」として評価する検査です。

脳の機能的検査と呼ばれることもあります。

特発性てんかんの診断過程には3段階の信頼度が提唱されています。
最も信頼度が高くなる3段階目に定められた検査が脳波検査です。

一般的に、特発性てんかんは様々な病気を「除外する」ことで診断されています(信頼度1や2)。しかし、脳波検査は唯一、てんかんと診断することが可能な検査です(信頼度3)。

特発性てんかんの診断
信頼度1
  • 初発年齢が6ヵ月齢〜6歳齢である
  • 血液検査における明らかな異常が認められない
  • 発作以外の神経的な異常を伴わない
  • 神経学的検査における明らかな異常が認められない
  • 尿検査における明らかな異常が認められない
信頼度2
  • MRI検査でてんかんの原因となる構造的な異常が認められない
  • 脳脊髄液検査でてんかんの原因となる異常が認められない
  • 食前/食後の総胆汁酸に異常が認められない
信頼度3
  • 脳波検査でてんかん波形が認められる

どのような動物が対象になるのか

  • てんかんを発症した可能性のある動物
  • てんかん発作に類似した症状の鑑別が必要な動物
  • 発作重責の治療時の評価

どのように行う検査なのか

  • 鎮静状態で行う検査←全身麻酔は行わない
  • 特殊な機械を用いて行う検査
  • 電極を頭部に乗せて行う検査(針を刺したりしない)←痛みを伴わない

検査のメリット

  • てんかんを発症した動物の確定診断を行うことで、長期的な薬剤投与の証拠を得る
  • てんかんを発症していない動物に対する不要な薬剤投与の防止
  • 見た目ではなく客観的な波形として治療が良好に行われているかの判断が可能

検査の問題点

  • 正常な波形だからといって正常(てんかんではない)とは言えない
  • 一度の検査では正確に評価できないことがある